2017年6月4日日曜日

緑の中に紛れ込むもの! 山楝蛇










知らないという事は無謀な事と同じく
時には面倒なアクシデントを引き起こします。

大昔にヤマカガシという蛇には
全然毒が無いと信じておりました。
人畜無害の安全な蛇なんだと勝手に都合良く、
そう解釈して思いこんでおりました。

小学生の頃に山や森に遊びに行き
このヤマカガシという蛇を数多く見掛けました。
毒の無い安全な蛇だという自分の先入観からか、
素手でこの蛇を捕まえて首に巻き付けて
結構楽しく遊んでいた事を思い出して
今更ですが微妙に怖くなりました。

毒マムシの3倍 沖縄のハブの10倍と
猛毒レベルも凄い蛇ではありませんか!
簡単な気持ちや油断ではありませんが、
余計な肝試しは、
百害あって一利無しの典型例で御座います!


Toshifumi  Kako  







































































































































































































































ヤマカガシ

(山楝蛇、Rhabdophis tigrinus)は、
有鱗目ナミヘビ科ヤマカガシ属に分類されるヘビ。
有毒。特定動物。

勝手な先入観と思い込みで毒マムシと違って、
毒がないおとなしい蛇なんだと思われがちですが
安全な蛇では御座いません。


本種はアオダイショウ、
シマヘビとともに、
日本本土でよく見かけるヘビの一種。


同じ毒蛇なので御座います。
ニホンマムシと比べても生息数は多く、
水田などを活動の場とすることで人との関わりも深い。

ヤマカガシはカエルを主な食料とするため、
日本の農業、特に水田の発達と共に
ヒキガエルや他のカエルの繁殖地が増加していき、
それに伴って発展していったものと考えられている。

近年は水田の減少、
そしてそれに伴うカエルの減少と共に、
個体数は減少しているようである。
特に都市部では、本種を見かけることは極めてまれ。

咬傷は主に捕獲時や
取扱い時に発生する。
2002年現在本種の咬傷では
1972年に肺浮腫
(咬傷被害は1971年)・1982年・1984年に
脳出血による3例の死亡例が報告されている。

頸腺による被害は本種の頸部を
棒で叩いた場合などにより発生する。

本種の血清は1984年の死亡例から試作品が作られ、
2001年までに11例の重症例で使用された。

2001年に厚生省(現:厚生労働省)の研究班によって
製造された試作品が、2002年現在では
財団法人日本蛇族学術研究所、
国立感染症研究所、杏林大学で保管されている。

日本ではラブドフィス属
(ヤマカガシ属)単位で

特定動物に指定されている。













< ヤマカガシの毒 >

ヤマカガシは毒を持つ部位が2箇所あります。
毒牙と、首の付け根あたりの表皮です。

まずは毒牙のほうですが、
実はこれは最近までその存在が
あまり認知されていませんでした。

一般的な毒蛇は大抵、
口の中で一番前にある大きな牙に毒腺がありますが、
ヤマカガシは奥歯のみに毒腺があります。
普通に人間に噛み付いたときに
これが皮膚に食い込むことはほとんどないため、
ずっとヤマカガシに毒牙はないと思われていました。

その毒牙の知名度を上げたのは
1972年の中学生の死亡事故です。
指のような細い部位であれば
ヤマカガシの毒牙が届いてしまうケースがあり、
それ以降は30件以上の重症例と4件の死亡例があります。

ヤマカガシの毒は、
マムシやハブと同じで出血毒です。
毒牙によって毒を注入される危険性は
ほかのヘビよりも少ないものの、
その毒性の強さは実は国内最強で、
マムシの3倍とまで言われています。

毒が注入されても、
しばらくは表面的な症状は出てきません。
マムシと違って咬傷部は腫れませんし、
ジンジンとくる熱い痛みもほとんどありません。

しかし毒が体内を回り始めると、
血管内の血小板に異常をきたして体内出血が起こります。
全身に皮下出血、歯茎出血、内臓出血、
腎機能障害、血便、血尿などが起こり、
最悪の場合は死に至るケースがあります。

しかも困ったことに
ヤマカガシの血清は限られた場所にしかないため、
処置が後手に回ってしまうことが多いです。
血清が手に入らない場合は
輸血や透析処置をすることになりますが、
それらは血清投与ほどの大きな効果は得られないのです。















ヤマカガシに咬まれてしまったら



まず何より大事なのは落ち着くことです。
パニックになると冷静な判断ができませんし、
血流が早くなって毒が早く回ります。
とにかく落ち着きましょう。

最初に困るのは
『毒が注入されたかどうか』の判断。
仮に毒が注入されていたとしても、
ヤマカガシの毒は自覚症状が出るまでには時間がかかります。

しかし自覚症状が出てから
処置をしたのでは、最終的に
重症化する危険性が高まってしまいます。

『咬まれたけど平気そうだ』なんて考えずに、
毒が入ってしまったとして行動するべきです。

まずは咬まれたヘビの確認。

咬まれて振り払ったときには
すでにヘビは逃げ始めていると
思われるので難しいかもしれませんが、
もしそのヘビがヤマカガシ(もしくはマムシ)
であるとはっきり判断できたなら、
その後の処置が非常にスピーディーになります。

次に毒の吸引。

吸引器を持っていれば
それを使いたいところですが、
まず携帯していることはないでしょう。

しかしヤマカガシの毒は、
素人が口を使って
吸い出すことはあまり推奨できません。

流水で洗いながら血を絞り出すやり方で、
少しでも毒を体外に追い出しましょう。
後の症状が軽くなります。

さらに咬まれた場所から
10cmほど心臓側の位置を
タオルなどで強く縛ります。
完全に血流を止めてしまうのは
かえって良くないので、
指1本入るぐらいの余裕を持って縛りましょう。

そして病院へ向かってください。
毒を受けているかどうかは
病院で判断してもらえばいいことです。
面倒くさがったり、恥ずかしがったりして
判断を誤って命を落とすのは
非常につまらないことです。

もし不幸にもヤマカガシの毒の症状が
はっきり現れてしまった場合は、
医者に相談の上でジャパンスネークセンター
(日本蛇族学術研究所)に連絡してください。
ヤマカガシの血清を常備している施設は日本でここだけです。

必要とあらばヤマカガシの血清を輸送してくれます。



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